神奈川病院様

第12回は独立行政法人 国立病院機構神奈川病院
管理栄養士 高橋 智江様をご紹介いたします。

神奈川病院様は、一般診療,結核医療,重症心身障害児(者)の分野で
診療を行い秦野伊勢原地区の地域医療の中核を担っています。

ここからは、高橋様をインタビュー形式でご紹介致します。

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Q1.管理栄養士を目指した理由
 食べることが大好きで、興味があり、
 高校3年生の時は栄養士の短大を卒業後、
 パティシエの専門学校へ進もうと考えていましたが、
 栄養の勉強をするうちに「食」だけではなく、
 「人」や「健康」にも関わることができて
 コミュニケーションを必要とする
 「管理栄養士」の仕事に魅力を感じたので、
 卒業後、実務経験を経て
 「管理栄養士」資格を取得しました。

Q2.業務内容
 主に担当病棟と外来の栄養指導です。
 今年度から担当病棟を3名の管理栄養士で
 4ヶ月ずつローテーションする体制となりました。

 現在は「重症心身障害児(者)」の病棟を担当しています。
 コミュニケーションがほとんどとれない医療的ケア児(者)などに
 「季節感がある」「美味しい」「楽しい」と
 感じてもらえるようなお食事やイベント食をしています。
 先日のイベント食では、保育士さんと
 嚥下に配慮した「桜餅」を手作りしました。

 また、NSTでは、低栄養を見逃さないよう力を入れて
 食事量や体重の変化、血液生化学検査、排便状況などをチェックして
 定期的に確認し、必要な患者さんへ介入しています。

Q3.心に残るエピソード
 以前勤めていた病院での話ですが、ある患者さんに
 チームで介入し、栄養指導も継続的に行っていましたが、
 その患者さんは毎回とても嫌そうに栄養指導を受けておられ
 こちらが何を言っても拒否的な反応が続いていました。
 しかし、繰り返し栄養指導を重ねるうちに、ある時突然
 「(管理栄養士の)先生の言っていたことが、あっていたよ!」と
 おっしゃり、食事療法を前向きに取り組まれるようになりました。
 透析導入間近だった当患者さんは、透析を導入せずに経過しました。

 当初は、無関心な反応で、信頼関係を築くことの難しさと、
 食事療法に興味や関心がないように見える方でも
 変わるきっかけやタイミングは人それぞれであり、
 諦めずに関り続けることの大切さを改めて実感しました。
 これからも患者さん一人ひとりの人生に寄り添って、
 生活に密着した栄養指導をしていきたいと思います。——————————————————————————————-

 高橋様、ありがとうございました。

 透析直前だった患者様が「食事療法も大切」と思い直し、
 実践することで透析をせずに済んでいるというお話は
 感銘を受けました。
 「栄養指導では、管理栄養士の話を
 聞いていないような態度に見えましたが、
 実はご自宅でしっかり取り組み、検査結果に表れた」
 ということなのでしょうか。

 2021年末の日本透析医学会統計調査によると、
 透析患者数は349,700人、
 2021年の施設調査結果による透析導入患者数は、
 40,511人でした。

 管理栄養士による栄養指導及び食事療法で、
 透析導入患者数を減らせるよう、
 ミールタイムも邁進してまいります。

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