西クリニック様

先日、東京都台東区にある西クリニック様に伺い、
管理栄養士の大石牧子様に取材させていただきました。
インタビュー形式でご紹介いたします。

西クリニック様は、東京都台東区にある
内科、慢性腎臓病、透析のクリニックです。
糖尿病やメタボ、高血圧、脂質異常症、腎臓病、透析など
診療されているご疾患は多岐にわたりますが、
腎臓病や透析の患者様が多いそうです。

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Q1.管理栄養士を目指したきっかけ
 小さい頃から食べることが好きだったのですが、
 母が毎日の食事内容をかかさず記録しており、
 食の大切さを感じやすい環境にいたこともあります。
 また高校時代の恩師から
 「医食同源」の大切さを教えてもらったことも、
 管理栄養士養成の大学へ進学するきっかけにもなりました。

Q2.業務内容
 外来と透析室での栄養指導や栄養に関する媒体づくり、
 持続自己血糖測定器(リブレ)の血糖チェック、
 透析患者様が持ち帰るお弁当の準備(1日2回)、
 透析患者様用の栄養補給ドリンク(シェイク)の準備、
 運動療法の準備、事務作業等があります。

Q3.栄養指導の状況や特徴
 栄養指導は透析の方が中心です。
 血液検査が定期的にあるので、
 患者様のベッドサイドに行き、
 お一人ずつ検査結果をお返ししながら
 栄養指導を行っています。
 検査結果だけで終わらないように食生活状況なども含め
 色々伺うようにしています。
 午前約35名、午後約20名の患者様に指導を行っています。

 特にデータが悪化していたときには、
 患者様に心当たりがないか
 外食や薬、旅行、行事食、間食、季節料理など
 色々な可能性を考えて思いつく限り伺います。

 血液検査結果が悪化していたとしても
 「患者様を否定しないこと」
 「共感すること」を心がけています。
 なんでもダメと言ってしまうと、
 食欲不振となり低栄養に繋がる危険性もあります。
 生活に取り入れていただけるよう、
 患者様に寄り添い、食べる間隔を空けることや
 1回の量を減らすことなどを提案しています。
 一度伝えても忘れてしまう患者様もいらっしゃるので、
 根気強く繰り返しお伝えしています。

 透析患者様は、長期間通院されるため
 患者様とのコミュニケーションを大切にしています。

Q4.やりがい
 栄養指導をした患者様が、
 血液検査結果が改善していると
 とても嬉しいですね。
 まず、自分の指導内容を生活に
 取り入れてくださったことが嬉しいですし、
 それが数値に改善に繋がったと思うと
 栄養士で良かったと感じます。

Q5.医療機関での取り組み
 業務内容でも少しお伝えした、
 持続自己血糖測定器(リブレ)と
 透析患者様用の栄養補給ドリンクです。

 持続自己血糖測定器(リブレ)

 患者様の二の腕に、写真のような白い計測器付けていただき、
 スマホをかざすとリアルタイムでクリニックのパソコンに
 血糖値を記録することができます。
 従来の指先の血液から血糖値を測る方法より手軽で
 リアルタイムの数値を記録することができます。
 
 実際に自分でも付けて色々試してみたのですが、
 どら焼きをそのまま食べるより
 ミックスナッツを食べたあとどら焼きを食べたほうが
 血糖値の上昇が緩やかでした。
 患者様の栄養指導に役立つのはもちろんですが、
 食べ物と血糖値の関係性も知れて
 栄養士として面白いと感じています。
 しかし、患者様がスマホをかざすのを
 忘れてしまい計測できていないこともあります。
 まずは興味をもっていただけるよう
 お伝えしていきたいですね。

 透析患者様用の栄養補給ドリンク(シェイク)
 透析患者様は、週3回、1日4時間の透析治療で、
 私たち健常人に比べ活動量が少なく、
 また加齢に伴う筋肉量の減少、筋力低下、
 そして食事制限の食事摂取不足により
 サルコペニアになりやすい状況にあります。
 患者様が元気に通院し、生活できるように、
 クリニックでは透析時間を有効に使って
 運動療法(筋力アップ)に力を入れています。
 運動療法には、エルゴメーターやグリッパー、
 レジスタンス運動などがあり、
 患者様が続けられそうな運動をご提案しています。
 運動の効果がわかるよう定期的に体力測定もしています。
 患者様が、エルゴメーターなどで運動をした後、
 当院特製の「シェイク」で
 エネルギーとタンパク質を補給いただいています。
 プロテイン等が入っているのですが、
 1杯でエネルギー200kcal、タンパク質は15.7gが摂れ、
 低栄養防止と筋力アップに繋がっています。
 味は、バナナ、ベリー、パイナップルの3種類で
 ベリー味が人気です。
 患者様からは、某ファーストフーズのシェイクに
 味がそっくりだと大変ご好評いただいています。

Q6.今後の目標
 透析や高齢、食欲低下、摂食障害など様々な要因で
 低栄養の患者様が多くいらっしゃいます。
 そういった方が元気に生活を送れるよう
 低栄養の改善に力をいれていきたいです。
 また、咀嚼困難や嚥下機能低下による
 食欲低下(オーラルフレイル)にも注目しています。
 今後、口腔ケアのことも勉強して
 患者様の食欲アップに繋げていきたいです。
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取材当日は、西クリニック様特製の「シェイク」の
パイナップル味をご馳走になりました。
大石様の仰るとおり、
某ファーストフードのシェイクにそっくりでとても美味しく、
しっかりパイナップルの味も感じられ、
プロテインが入っているとは思えないくらいでした。
さらには最後に透析室へもご案内いただきました。
透析を受けている患者様の様子等を間近で見ることができ、
大変勉強になりました。

また大石様は、取材前に事前に私の出身地を見てくださり、
「お話ししやすくなるように、見ておいたんですよ。」
と、仰っていました。
質問にも笑顔で優しくお答えいただき、
大変感謝しております。
そういった大石様のお気遣いが、
患者様と距離を縮められる寄り添う栄養指導なのだと感じ、
栄養士として学びの多い時間となりました。

最後になりましたが、大石様、
この度はお忙しい中お時間をいただき、
誠にありがとうございました。

今後とも、よろしくお願い申し上げます。